こんにちは。京都市の工務店、ナチュラルデザインの合田太一です。
数字が、時代の変化を静かに教えてくれることがあります。
住宅金融支援機構が2026年3月に発表した調査によると、
変動型住宅ローンの最長返済期間として
「50年」を設定する金融機関が57.5%と過半数を超え、
前年度の33.8%から一気に増加しました。
「40年」が最多だった昨年度と比べると、
わずか1年での大きな変化です。
住宅ローンの選び方は、月々の返済だけでなく、
子どもの教育費や老後のことまで関わってくる、
生活全体の設計に直結するテーマです。
今日の記事では、
35年ローンと50年ローンの特徴をメリット・デメリットも
含めて正直にお伝えします。
どちらが正解というわけではありません。
自分たちの暮らしのリズムに合った選び方を知ることが大切です。

この記事でわかること
- 50年ローンが急増している社会的背景
- 35年・50年ローンを正直に比べた時の違い
- 5,000万・1%で月々の返済額を数字で確認
- 月々3.5万の差額、どう判断するかの考え方
- 家を建てる年齢の変化と50年ローンの関係
50年ローン、なぜ今これほど増えているのか?

住宅金融支援機構が2025年3月24日に公表した
「2025年度住宅ローン貸出動向調査」
(回答機関数:全国298金融機関)によると、
住宅ローンの最長返済期間として
「50年」を設定する金融機関の割合が、
すべての金利タイプで大幅に増加しています。
変動型で57.5%(前年度33.8%)、
固定期間選択型で55.2%(同33.6%)、
全期間固定型でも34.0%(同21.9%)。
前年度まで「40年」が最多だったことを踏まえると、
わずか1年でここまで変化するとは、
驚くほどの動きです。
この数字が示しているのは、
50年ローンが単なる特殊な商品ではなく、
標準的な選択肢のひとつとして
位置づけられるようになってきた、という事実です。
この変化の背景には、
金融機関の対応が整ってきたことに加え、
家を建てる世代が若くなってきているという事情もあります。
※出典:住宅金融支援機構「2025年度住宅ローン貸出動向調査」
2026年3月26日発表
情報元:新建ハウジング(https://www.s-housing.jp/archives/414817)
35年・50年ローン、良い面も気になる面も正直に比べると

建物と資金計画の全体像を確認する
まず、全体像を表で確認しましょう。
| 比較項目 | 35年ローン | 50年ローン |
| 月々の返済額 | 高め | 低め |
| 総支払額(利息含む) | 少ない | 多くなる |
| 完済年齢目安(30歳で借入の場合) | 65歳 | 80歳 |
| 繰り上げ返済のしやすさ | 余裕資金があれば可能 | 月々に余裕が生まれやすい |
| 団体信用生命保険(団信) | 期間中あり | 期間中あり |
ここで一つ、よく誤解されている点をお伝えします。
「50年ローンには団信が付かないのでは?」
と思っている方がいますが、そうではありません。
多くの金融機関では、
50年ローンにも団体信用生命保険(団信)が
しっかり付いています。
団信とは、ローンを借りた本人が万一亡くなったり
高度障害になった場合に、
残っているローンが保険で完済される仕組みです。
返済期間の長さに関わらず、その保障は期間中ずっと続きます。
一方、正直にデメリットもお伝えします。
50年ローンは総支払額が増えます。
月々の負担が軽くなる分、
長い期間にわたって利息を払い続けることになるため、
トータルの出費は35年より大きくなります。
この差は、実際の数字で見てこそ実感できます。
土地・建物費用と総費用の考え方

住宅ローンの組み方を考えるとき、
建物費用だけでなく土地取得費用も含めた総額での試算が重要です。
35年ローンと50年ローンのどちらを選ぶにしても、
建物にかかるコストと土地にかかるコストを
合わせた資金計画全体を見渡した上で判断することが、
後悔のない選択につながります。
5,000万円・金利1%で計算すると、月々の差はいくら?
建物仕様と月々返済額の比較シミュレーション
借入額5,000万円、金利1.0%(固定)という条件で、
35年と50年を比較した概算値が以下のとおりです。
| 項目 | 35年ローン | 50年ローン |
| 月々の返済額 | 約141,000円 | 約106,000円 |
| 月々の差額 | ー | 約35,000円少ない |
| 総支払額(概算) | 約5,922万円 | 約6,360万円 |
| 利息総額(概算) | 約922万円 | 約1,360万円 |
| 利息の差額 | ー | 約438万円多くなる |
※上記はシミュレーション上の概算値です。
実際の返済額は、金融機関・商品・審査内容・適用金利によって異なります。
月々の差は約35,000円。年間にすると約42万円の差です。
この数字をどう受け止めるかが、
ローン選びの分かれ道になります。
月々の「差額3.5万円」、どう考えるか

「払えるなら35年で返した方がいい」
という意見はもっともです。
ただ、少し立ち止まって考えてみてください。
月々35,000円の余裕は、
家を建てたその日から「確実に」続くものですか?
京都市や亀岡市、長岡京市などで家を建てたばかりの
30代のご夫婦を想像してみてください。
子育て中の出費、保育料、車の維持費、
引越し直後の初期投資。
家を建てた直後というのは、
生活費が膨らみやすい時期でもあります。
その状況で毎月35,000円の余裕を確保し続けることは、
思っていたよりも難しいかもしれません。
50年ローンで月々の負担を抑えておき、
収入が増えたり支出が落ち着いた段階で繰り上げ返済を行う、
という考え方があります。
繰り上げ返済をすれば元本が減り、
利息の負担も削ることができます。50年で組んでも、
必ず50年かかるわけではありません。
「入口は50年、繰り上げ返済で実態を短くする」
という使い方もできるのです。
総支払額が増えることへの懸念と、
月々の生活が苦しくなることへの懸念。
どちらをより重く見るかは、ご家族の状況によって変わります。
大切なのは、どちらのリスクも理解した上で選ぶことです。
家を建てる年齢が若くなってきた。だから50年が選択肢になる

50年ローンが増えている理由のひとつに、
家を建てる年齢の若年化があると私は考えています。
近年は20代後半や30代前半で
家づくりに踏み切るご夫婦が増えています。
25歳で家を建てれば、35年ローンでも完済は60歳、
50年ローンであれば75歳。
若い段階で借りるほど、
長期ローンは現実的な選択肢として成立します。
また、20代〜30代前半の段階では、
今の年収が将来の収入水準を反映していないことがほとんどです。
これから昇給が見込める方、
共働きで収入が増える見通しがある方にとっては、
今の時点で月々の負担を抑えながらスタートし、
余裕が出た段階でローンを前倒しで
減らしていく進め方は十分に合理的です。
【まとめ】35年も50年も、大切なのは自分たちの設計に合うか

50年ローンの増加は、
金融機関の変化と家を建てる世代の若年化が重なって生まれた、
時代の流れです。
月々の負担を抑えながら繰り上げ返済を活用する選択も、
自分たちの暮らしに合えば十分に合理的な住宅ローンの組み方です。
- 35年ローン:月々の負担は大きいが、総支払額を抑えられる
- 50年ローン:月々の負担を抑えられるが、利息総額は増える。
団信の保障は期間中ずっと続く - 繰り上げ返済を組み合わせれば、50年で組んでも総支払額を抑えることも可能
どちらが正解かではなく、
「今の家計と将来の設計に合っているか」
が判断のポイントです。
住宅ローンは長い付き合いになるからこそ、
数字だけでなく生活全体の流れとセットで考えることが大切です。
ナチュラルデザインでは、
住宅ローンを含む資金計画について
個別にご相談いただける機会をご用意しています。
「借りられるかどうか」ではなく
「安心して返し続けられるか」という視点で一緒に考えます。
ぜひ、お気軽にお問い合わせ・資料請求・完成見学会へお越しください。
ナチュラルデザインの施工エリアについて

ナチュラルデザインは、京都市を中心に、亀岡市、南丹市、向日市、長岡京市、宇治市、八幡市、城陽市、大山崎町、久御山町を主な施工エリアとしております。(事務所から車で1時間圏内を、主な施工エリアとしております。)
すぐにお伺いできる距離にエリアを絞ることで、暮らしの中で何かあった時も迅速に対応できるようにしています。「建てて終わり」ではなく、住まいの変化を一緒に見守れるような、地域に根ざしたパートナーでありたいと思っています。
上記エリア以外につきましては、弊社担当までご確認ください。
A. 最大のデメリットは、返済期間が長くなる分、利息の総支払額が増える点です。試算(5,000万円・金利1%)では、35年ローンに比べて利息総額が約438万円多くなります。また、完済年齢が遅くなるため、老後の資金計画を慎重に立てる必要があります。
A. はい、多くの金融機関では50年ローンでも団体信用生命保険(団信)がしっかり付帯されています。万が一、借入本人が死亡または高度障害状態になった場合には、ローン残高が保険で完済されます。保障は返済期間を通じて継続するため、その点は安心材料となります。
A. 借入額5,000万円・金利1.0%の条件で試算すると、35年ローンは月々約14.1万円、50年ローンは約10.6万円となり、月々約3.5万円の差が生じます。この差額を教育費や生活のゆとり、あるいは将来の繰り上げ返済資金として活用する考え方があります。
A. 「入口は50年で月々の負担を抑え、余裕が出たら繰り上げ返済をする」という使い方が有効です。家を建てた直後の出費が多い時期は負担を軽減し、将来的に収入が増えたり支出が落ち着いた段階で前倒し返済を行うことで、利息負担を削りつつ実態の返済期間を短縮できます。
A. 住宅金融支援機構の2025年調査では、変動型で57.5%の金融機関が50年ローンを設定しています。背景には金融機関の対応が進んだことに加え、家を建てる世代が若年化していることがあります。20代〜30代前半で借りる場合、50年ローンも現実的な選択肢として成立しやすいためです。
