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  3. 【耐震等級3で十分?】繰り返す余震から家を守る「制震ダンパー」という一つの選択肢について

こんにちは。ナチュラルデザインの合田太一です。

道路の段差を越えるとき、車がふわりと衝撃を
受け流してくれる感覚があります。
タイヤが路面の凹凸を拾っても、
車内にいる人がほとんど揺れを感じないのは、
サスペンションが衝撃を吸収しているからです。

もし車体が衝撃をそのまま受け続けたら、
ボディにはひびが入り、部品の劣化が一気に進むでしょう。

家と地震の関係も、これとよく似た面があります。
「強い家」を考えるとき、「耐えること」だけでなく、
「衝撃を受け流すこと」という視点も大切です。

今回は、ナチュラルデザインが2026年3月以降の
ご契約より全棟標準採用した、
制震ダンパーevoltz(エヴォルツ)の
仕組みと特徴をお伝えします。

evoltz B5 新世代制振装置。シルバーの制震ダンパーが中央に配置された広告用画像。

この記事でわかること

  • 耐震と制震それぞれの役割の違い
  • 余震が家に積み重ねるダメージの仕組み
  • 車の技術から生まれたevoltzの特徴
  • 震度1から効果を発揮するバイリニア特性とは
  • 制震は耐震等級3があってこそのプラスα

耐震等級3だけで十分?知らないと後悔する「制震との役割の違い」

耐震と制震の違いを比較する図解。左は「揺れに耐える」耐震の家、右はダンパーで「揺れを吸収する」制震の家。

家づくりのご相談の中で
「耐震等級3を取得しているなら、それだけで十分ではないですか?」
というご質問をいただくことがあります。

耐震等級3は実際に非常に高い性能水準を示す基準であり、
災害時に拠点となる消防署・警察署と
同等の耐震強度として規定されています。

ナチュラルデザインでも、
全棟で許容応力度計算による耐震等級3を取得しています。

ただ、「耐震」と「制震」は、そもそも目的が異なります。
それぞれの違いを整理すると以下のようになります。

種別目的建物への働き方
耐震地震の力に「耐える」建物を頑丈にして揺れの力に抵抗する
制震地震エネルギーを「吸収する」揺れのエネルギーを分散し建物のダメージを軽減する
免震地震の揺れを「遮断する」建物と地盤を切り離し揺れを伝えない

どちらが優れているということではなく、
役割が違います。「耐震があれば制震は不要か」
という問いに対して、
特に着目すべきなのが、繰り返す余震への対応です。

1回の地震より怖い「余震の積み重ね」──耐震だけでは補えないダメージの蓄積

地震計のモニター。M7.0本震を示す赤い波形と青い余震の波形、震度と日時が記録されている。

大きな地震の後に続く余震。
その数は、大きな本震ほど多くなる傾向があります。

令和6年能登半島地震では、
本震後も震度4以上の余震が長期間にわたって発生し続けました。
気象庁の記録では、
能登地方では本震後1年以上にわたって有感地震が継続し、
繰り返す揺れが建物にどれだけ負荷をかけるかを改めて示しました。

耐震構造は基本的に、
建物が地震の力に「耐える」ことを前提としています。

しかし、繰り返し揺れを受けると、
たとえ一回の揺れが耐震性能の範囲内であっても、
建物を構成する部材や接合部に少しずつ
疲労が蓄積されていく可能性があります。
いわゆる「ダメージの積み重ね」という状態です。

先ほどの車のたとえに戻ります。
サスペンションのない車が道路の段差を繰り返し越えると、
一回の衝撃は小さくても、フレームが少しずつ傷んでいきます。
家も同じように、繰り返しの揺れがダメージを蓄積させることがあります。
制震装置は、揺れが来るたびにエネルギーを吸収することで、
その蓄積を抑える役割を担います。

ドイツ・BILSTEINの車載技術が住宅を守る──
制震ダンパーevoltzの正体

2本のBILSTEIN(ビルシュタイン)製制震ダンパー。手前のダンパーには製品番号が印字されている。

ナチュラルデザインが採用している
制震ダンパーevoltz(エヴォルツ)は、
世界有数の自動車部品メーカー、
ドイツのBILSTEIN(ビルシュタイン)社が
製造する木造住宅用の油圧式制振装置です。

BILSTEINは世界トップクラスの自動車メーカーが選ぶ
ショックアブソーバー(緩衝器)の製造メーカーであり、
レーシングカーから市販車まで、
過酷な環境下での安定性で高い評価を受けてきた企業です。

その設計思想と製造品質を木造住宅用に
転用・開発したのがevoltzです。
過酷な走行環境でも安定した性能を発揮する
「車の技術」が、そのまま住宅の安全性を
長期にわたって支える仕組みになっています。

なぜevoltzは「小さな揺れ」から効くのか──
特許技術バイリニア特性の仕組み

工場の試験設備で振動試験を受ける、上部に重りを載せた木造フレーム模型。斜めに筋交いが入り、計測コードが接続されている。

evoltzの大きな特徴のひとつが、
「震度1程度の小さな揺れから効果を発揮する」
という点です。
通常のダンパーは、ある程度大きな変形が起きて
初めて機能する構造が多いといわれています。

一方、evoltzは世界3カ国で特許を取得した
独自の「バイリニア特性」により、
建物がほんの少し動いた段階から
エネルギーの吸収を開始します。

小さな揺れも大きな揺れも、
揺れるたびに確実にエネルギーを吸収し続けることで、
繰り返す余震にも有効に対応します。
低速でも高速でも安定して衝撃を受け流すサスペンションのように、
揺れの大きさを問わず機能することが、evoltzの強みです。

100万回の試験が証明する信頼性──60年間メンテナンスフリーで住宅を守り続ける

鉄骨の架台に設置された木造フレーム模型が激しく振動試験を受けている様子。残像と左側の加振装置。奥にはヘルメットを被った作業員。

evoltzは100万回の作動試験をクリアしており、
マイナス20℃から80℃という過酷な温度環境下でも
性能を維持することが確認されています。

設計耐用年数は60年で、
メンテナンスフリーで使い続けられる設計です。
壁の中に組み込まれるため、
設置後に整備する手間なく、
建物の寿命とともに長く機能します。

ガス封入・オイル注入により内部を加圧した
完全密封構造が、長期にわたる性能維持を可能にしています。

品質面では、発売開始以来の製造本数15万本以上のうち
外観不良はわずか5本という記録が公式に公開されており、
99.99%という水準は製品管理の実績数値として裏付けられています。

また、令和6年能登半島地震では、evoltzを導入した
石川・富山エリアの573棟すべてが
「倒壊・全壊・半壊ゼロ」を達成しています(被災度区分判定による)。

耐震等級3を土台に、制震で長期安全性をプラスする
──2026年標準採用の考え方

制震ダンパーevoltzが筋交いとして搭載されている様子。

ナチュラルデザインにおける制震ダンパーevoltzの採用は、
あくまでも「耐震性能をしっかり確保した上でのプラスα」
という位置づけです。

まず全棟で許容応力度計算による耐震等級3を取得し、
その強固な基盤の上に地震エネルギーを吸収する仕組みを加えることで、
建物の長期的な安全性を高めます。

「制震があれば耐震は弱くていい」
ということではありませんし、
「制震がなければ危険」とお伝えするつもりもありません。

耐震が「家を守る骨格」だとすれば、
制震はその骨格を繰り返しの揺れから
守り続けるための仕組みです。

2026年3月のご契約より全棟での標準採用に踏み切ったのも、
この考え方からです。

「見えない性能」を正しく理解して選ぶ時代
──2026年の家づくりに求められる地震対策の質

工務店の担当者と打ち合わせをする、ボーダーシャツの男性と黒いキャップの女性。テーブルの上には資料と飲み物。

家づくりのご相談の中で
「耐震性能はどうなっていますか?」
「制震装置は入っていますか?」
という質問をいただく場面が増えています。

目に見えない「構造性能」に目を向けるお客様が増えていることは、
住まいに対する意識の変化を示しています。

仕組みをきちんと理解した上でご自身で納得して選ぶことが、
長期的に後悔のない家づくりに直結します。

数値や仕組みを確認する姿勢は、
家という大きな選択において判断の根拠を明確にします。

耐震等級の取得方法(許容応力度計算か壁量計算かの違い)、
制震装置の種類と作動原理、品質管理の実績数値──
こうした情報をオープンに提供できる住宅会社を選ぶことが、
性能重視の家づくりの第一歩です。
知識を持った上で比較・選択することが、将来の安心につながります。

【まとめ】制震ダンパーevoltzで繰り返す余震から家を守るために知っておきたいこと

完成した住宅の玄関ドアの前で、スマートキーの説明を聞く家族と担当者。ドアからはオレンジ色の光が漏れている。

ナチュラルデザインでは、
全棟で耐震等級3を確保した上で、
2026年3月以降のご契約より制震ダンパーevoltzを標準採用しています。
耐震がしっかりしているからこそ、制震のプラスαが生きてきます。

  • 耐震は「構造で耐えること」、制震は「エネルギーを吸収すること」と役割が異なるため、両方の組み合わせが長期的な安全性を高めます
  • 余震が繰り返されるほど建物への負担が積み重なる可能性があり、evoltzが繰り返しのエネルギー吸収で構造への負担を軽減します
  • evoltzは震度1から作動し、100万回の試験をクリアした信頼性と60年の耐用年数を備えた装置です

地震への備えに「これで完璧」はないかもしれませんが、
できることを積み重ねることが大切です。

ナチュラルデザインは、
耐震・断熱・気密・換気と同じように、
制震も安心な暮らしを支える重要な要素として
標準仕様に取り入れています。
地震対策や家づくりについて気になることがあれば、
個別相談でお気軽にご相談ください。

ナチュラルデザインの施工エリアについて 

ナチュラルデザインは、京都市を中心に、亀岡市、南丹市、向日市、長岡京市、宇治市、八幡市、城陽市、大山崎町、久御山町を主な施工エリアとしております。(事務所から車で1時間圏内を、主な施工エリアとしております。)

すぐにお伺いできる距離にエリアを絞ることで、暮らしの中で何かあった時も迅速に対応できるようにしています。「建てて終わり」ではなく、住まいの変化を一緒に見守れるような、地域に根ざしたパートナーでありたいと思っています。

上記エリア以外につきましては、弊社担当までご確認ください。

Q1. 耐震等級3を取得していれば、制震ダンパーは不要ですか?

A. 耐震と制震は目的が異なります。耐震は建物を頑丈にして揺れに「耐える」ためのものですが、制震は揺れのエネルギーを「吸収」して建物へのダメージを軽減します。耐震だけでは補いきれない繰り返す余震によるダメージ蓄積を抑えるために、制震ダンパーとの組み合わせが長期的な安全性を高める上で有効です。

Q2. 制震ダンパーevoltz(エヴォルツ)の最大の特徴は何ですか?

A. 世界有数の自動車部品メーカー、ドイツのBILSTEIN(ビルシュタイン)社が製造する、車のショックアブソーバー技術を転用した油圧式制振装置である点です。過酷な走行環境で磨かれた設計思想と、99.99%という極めて高い製造品質が、木造住宅の安全性を長期にわたって支えます。

Q3. evoltzは小さな揺れでも効果がありますか?

A. はい、世界3カ国で特許を取得した独自の「バイリニア特性」により、震度1程度の小さな揺れから効果を発揮します。通常のダンパーと異なり、建物がほんの少し動いた段階からエネルギーの吸収を開始するため、揺れの大きさを問わず、繰り返す余震に対しても確実に作動し続けるのが強みです。

Q4. 設置後のメンテナンスや耐久性はどうなっていますか?

A. 100万回の作動試験をクリアしており、設計耐用年数は60年、メンテナンスフリーで使い続けられる設計です。壁の中に組み込まれる完全密封構造により、設置後の整備の手間をかけずに、マイナス20℃から80℃の過酷な環境下でも長期間にわたって性能を維持することが確認されています。

Q5. 実際の地震におけるevoltzの実績はありますか?

A. 令和6年能登半島地震において、evoltzを導入した石川・富山エリアの573棟すべてが「倒壊・全壊・半壊ゼロ(被災度区分判定による)」を達成しました。また、15万本以上の製造実績のうち外観不良はわずか5本という、製品管理における極めて高い信頼性の数値も公表されています。

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