こんにちは、ナチュラルデザインの合田太一です。
家づくりを考え始めると、
インスタグラムやピンタレストで素敵な間取りをたくさん見かけますよね。
明るくて開放的なリビング、洗練されたキッチン、すっきりとした動線。
どれも本当に魅力的で、「こんな家に住みたい」と夢が膨らみます。
最近の打ち合わせでも、スマートフォンを見せていただきながら、
「この間取り、すごく素敵で参考にしたいんです」
とお話しくださる方が増えています。
そんなとき、私たちがいつも一緒に考えたいと思っているのが、
「この間取りは、ご家族の毎日の暮らしに本当に合っていますか?」ということです。
見た目の素敵さと、実際の暮らしやすさは、実は同じではないことがあります。
SNSで見かける間取りには、その家族ならではの暮らし方や、
写真には写らない工夫がたくさん詰まっています。
この記事では、憧れの間取りを上手に取り入れながら、
ご家族らしい心地よい暮らしを実現するために、
知っておいていただきたいことをお伝えしていきます。

この記事でわかること
- SNSの間取りをそのまま採用する前に確認したいこと
- おしゃれさと住みやすさを両立させるためのヒント
- 間取りを考える前にご家族で話し合いたい大切なこと
- 実際に起きた事例から学べる気づきと対策のアイデア
- ご家族にぴったり合う間取りを見つけるための準備方法
インスタの素敵な間取りには「その家族ならではの背景」がある
SNSで紹介されている間取りは、どれも本当に素敵です。
光が差し込む大きな窓、家族が集まる広々としたリビング、使いやすそうな家事動線。
見ているだけでわくわくしてきます。
ただ、その素敵な写真の向こう側には、
実は「その家族ならではの背景」があることを、
ちょっとだけ知っておいていただけたらと思います。

①家族構成と暮らし方が、その間取りにぴったり合っている
たとえば、
「広々としたリビングを実現するために、収納は別の場所にまとめている」
「ご夫婦お二人の暮らしで、子ども部屋が必要ないからこその余白」など、
その家族だからこそ成り立っている条件があります。
お子さんが小さいご家庭なら、目の届く範囲で遊べるスペースが必要かもしれません。
在宅でお仕事をされる方なら、集中できる個室があると安心です。
料理が好きな方なら、キッチンの収納や作業スペースを広く確保したいでしょう。
ご家族の人数や日々の過ごし方があって、初めて「ちょうどいい間取り」が生まれます。
②土地の形や周りの環境が、その間取りを引き立てている
敷地の形、日当たりの向き、お隣との距離、道路の位置。
こうした一つひとつの条件が重なって、その間取りが「素敵に見える配置」になっています。
たとえば、南側に大きな窓を設けられるのは、南側に建物がないからかもしれません。
広いお庭があるのは、敷地に余裕があるからかもしれません。
印象的な玄関の位置も、道路との関係で決まっているのかもしれません。
同じ間取りでも、
違う土地に建てたら、日当たりや使い勝手が変わってしまうこともあります。
③予算の使い方が、その家族の価値観に合っている
広いリビングを実現するために、
他の部屋をコンパクトにしたり、外構は後から整えることにしたり。
限られた予算の中で、
「ここだけは大切にしたい」という優先順位をつけた結果が、あの素敵な間取りです。
造作家具にこだわる方もいれば、設備のグレードを上げる方もいます。
どこに想いとお金をかけるかは、ご家族によって本当にさまざまです。
インスタで見た間取りを参考にすることは、もちろん素敵なことです。
デザインやテイストから、たくさんのヒントをもらえます。
ただ、「なぜこの配置になっているのかな?」
「うちの暮らし方にも合うかな?」と、
少し立ち止まって考えてみることが、後悔しない家づくりにつながります。

同じ間取りでも、暮らし方によって「快適さ」が変わる理由
間取りというのは、ご家族の暮らし方を形にしたものです。
朝、誰が一番に起きて、どこで何をするのか。
お子さんの学校の準備は、誰がどこでお手伝いするのか。
週末のお洗濯は、何回まわして、どこに干すのか。
お仕事は家でされるのか、外に出られるのか。
こうした毎日の小さな積み重ねを、一つひとつ丁寧に見ていくと、
「この家族にとって心地いい間取り」が少しずつ見えてきます。
でも、SNSに投稿されている間取りには、
そういった日常の様子までは詳しく書かれていません。
写真には「完成した美しい空間」が写っていますが、
「どうしてこの選択をしたのか」という理由や、
「毎日どんなふうに過ごしているのか」という背景は、なかなか伝わりにくいものです。
だからこそ、見た目の素敵さに心を惹かれて
「この間取りがいい!」と決めてしまうと、
いざ住んでみたときに、
「あれ、思っていたのとちょっと違うな」と
感じてしまうこともあるのです。
たとえば、
同じ「リビング階段」でも、お子さんが小さいうちは顔を合わせやすくて安心だけれど、
成長すると音が気になることもあります。
同じ「対面キッチン」でも、お料理中にお子さんの様子が見えて安心という方もいれば、
手元が見えることがちょっと気になるという方もいます。
間取りに正解はありません。
大切なのは、「ご家族にとって、それは最適なのか」という視点です。

実際に起きた7つの事例|暮らしてみて気づいたこと
ここで、実際にお聞きした事例をいくつかご紹介させてください。
これらは決して失敗というわけではなく、
「もう少し考えておけばよかった」というお声から学べることがたくさんあります。

事例①:開放的なLDKにしたら、収納が少し足りなかった
壁を減らして開放的なリビングにしたことで、
とても気持ちのいい空間になりました。
ただ、収納スペースも一緒に減ってしまい、
季節用品やお子さんの作品など、「今は使わないけれど大切なもの」の
置き場所に少し困ってしまったそうです。
見た目の開放感と、日々の収納量のバランスを考えておくことが大切です。
事例②:回遊動線にしたけれど、思ったより使わなかった
ぐるっと回れる間取りは便利そうに見えますが、
実際には「いつも同じルートを通っている」ということもあります。
回遊できることより、
「一番よく使うルートが短くて分かりやすい」ことの方が、
毎日の快適さにつながることもあります。
▼動線計画についてまとめたブログはこちらから
事例③:アイランドキッチンにしたら、少し気になることがあった
憧れのアイランドキッチンを採用されたご家族。
開放感は素敵だけれど、リビングから常に見える位置なので、
洗い物をそのままにしておくとちょっと気になる。
お客様が来られたときも、キッチンの状態が気になってしまうそうです。
「見せる収納」と「隠す収納」のバランスも、心地よさには大切な要素です。
事例④:吹き抜けで明るくしたら、冷暖房のことも考えればよかった
吹き抜けは、お部屋を明るく広く見せてくれる素敵な要素です。
ただ、断熱や空調の計画を一緒に考えておかないと、
冬は暖かい空気が上に逃げてしまったり、夏は2階が暑くなったりすることもあります。
また、高い位置の窓やシーリングファンのお掃除も、
ちょっと大変だったとおっしゃっていました。
見た目と一緒に、メンテナンスのことも考えておくと安心です。
事例⑤:リビング階段にしたら、音が少し気になった
家族の顔が見えるリビング階段は、コミュニケーションが取りやすくて素敵です。
ただ、2階の部屋の音がリビングに聞こえやすかったり、
逆にリビングのテレビの音が2階に響いたりすることもあるそうです。
家族構成やライフスタイルによっては、「適度な距離感」も大切にしたいところです。
事例⑥:土間リビングにしたら、冬の冷えが想像以上だった
おしゃれな土間リビングに憧れて採用されたご家族。
デザインはとても気に入っているけれど、冬場の足元の冷えが想像以上だったそうです。
スリッパを履いていても、やはり冷たさを感じるとのこと。
床暖房を入れたり、ラグを敷いたり、工夫次第で快適にできることもありますが、最初から対策を考えておくと安心です。
事例⑦:書斎スペースを作らなかったら、後から欲しくなった
新築時は「書斎は必要ない」と思っていたけれど、
数年後に在宅ワークが始まり、集中できる個室があったらよかったと感じるようになったそうです。
将来のことを完全に予測するのは難しいですが、
「余白」や「変えられる余地」を少し残しておくと、暮らしの変化に対応しやすくなります。
これらの事例から分かるのは、「見た目の良さ」だけでなく、「実際の暮らし」も一緒に想像しておくことの大切さです。
決して間違った選択ではなく、ただ「もう少し考える時間があったら」というお声です。

なぜ「素敵な間取り」でも戸惑いが生まれるのか
|見落としやすい3つの視点
では、なぜこうした戸惑いが生まれてしまうのでしょうか。
多くの場合、以下の3つの視点が、つい抜けてしまうことが原因です。
視点①:「今」だけでなく「これから」も想像する
新築時の家族構成や生活スタイルだけで間取りを決めてしまうと、数年後の変化に対応しにくくなることがあります。
お子さんの成長、働き方の変化、親御さんとの同居の可能性。
こうした「これから」も少し想像しておくと、柔軟に対応できる間取りになります。
視点②:「見た目」だけでなく「体感」も想像する
写真で見て素敵だと思っても、実際に住んだときの温度感、音の響き方、光の入り方、風の通り方までは、なかなか想像しにくいものです。
完成見学会やモデルハウスに足を運んで、実際の空間を体感してみると、写真だけでは分からない発見がたくさんあります。
視点③:「理想の休日」だけでなく「いつもの平日」を大切にする
ゆったりとした休日の過ごし方をイメージして間取りを決めることも素敵ですが、
実際には、忙しい平日の朝や、疲れて帰ってきた夜の動線の方が、毎日の快適さに影響します。
「特別な日」ではなく「いつもの日」を基準に考えることが、長く心地よく暮らせる家づくりのコツです。

間取りを考える前に、ご家族で話し合いたい5つのこと
ナチュラルデザインでは、間取りを考えるとき、
まず「ご家族の暮らし方」をゆっくりとお聞きすることから始めています。
具体的には、以下のようなことをご家族で話し合っていただけると、打ち合わせがとてもスムーズに進みます。
①ご家族それぞれの1日の動きを、書き出してみる
朝の準備の様子、お仕事や学校、帰ってきてからの過ごし方。
時間を追って書き出してみると、家族が重なる時間帯や、よく使う場所が見えてきます。
特に、朝の忙しい時間帯に洗面所が混雑しないか、
夕方の家事が重なる時間にキッチンとお風呂の動線がぶつからないか。
こうした細かい部分が、実は毎日の快適さを大きく左右します。
②収納したいものを、具体的にリストアップしてみる
衣類、本、食器、掃除用具、季節用品、趣味の道具、お子さんのおもちゃ。
それぞれをどこに、どれくらい収納するのか、
具体的にイメージしておくと、必要な収納量が見えてきます。
「今の家で足りないもの」「新しい家で増えそうなもの」も、一緒に考えておくと安心です。
③これから先の暮らしを、少し想像してみる
お子さんの成長、お仕事の変化、親御さんとの同居の可能性。
数年後、十数年後の暮らしを少し想像してみると、今必要な「余白」が見えてきます。
たとえば、子ども部屋は最初から仕切らずに、大きな空間として使い、成長に合わせて間仕切りを入れられるようにしておく。
こうした「変えられる余地」が、長く住み続けられる家の条件です。
④「これだけは大切にしたい」ことを、順番に並べてみる
すべてのご希望を叶えることは、予算や土地の条件の中では難しいこともあります。
だからこそ、「これだけは大切にしたい」という優先順位を、ご家族で話し合ってみてください。
「広いリビングで家族が集まる時間を大切にしたい」のか、
「収納をしっかり確保して、すっきり暮らしたい」のか。
こうした想いが明確になると、設計の方向性も決まりやすくなります。
⑤お客様の頻度と、家族だけの時間のバランスを考える
お客様がよく来られるご家庭なら、
玄関からリビングまでの動線や、家族のプライベートな空間との距離感も、大切に考えたいところです。
来客時には見せたくない場所(お洗濯物、散らかりがちな場所)を隠せる動線になっているか。
お客様がいらしても、ご家族が普段通りに過ごせる空間があるか。
こうした配慮も、心地よい暮らしには欠かせません。
こうしたご家族ごとの「暮らしの大切なこと」を整理してから、
間取りに落とし込んでいきます。
そして、ただご要望をお聞きするだけでなく、
「どうしてこの配置をご提案したのか」
「ここを優先した代わりに、何を調整したのか」
といった設計の想いも、丁寧にお伝えするようにしています。

打ち合わせの前に、ご家族で準備できる4つのこと
では、実際に設計士との打ち合わせの前に、ご家族でどんな準備ができるでしょうか。
以下の4つを整理しておくと、打ち合わせがより充実したものになります。
準備①:今の暮らしの「気になること」を書き出す
今住んでいるお家の「ここが少し不便」「こうだったら嬉しい」
というポイントを書き出してみてください。
それが、新しいお家で改善したいポイントになります。
収納が少し足りない、動線が使いにくい、音が響く、冬が寒い、お部屋が暗い。
こうした具体的な気づきが、新しいお家の設計ヒントになります。
準備②:家族の「理想の休日」を想像する
完成したお家で、どんなふうに過ごしたいですか?
朝はゆっくり起きて、リビングでご家族揃って朝ごはん。
午後はお庭でお子さんと遊んで、夜はキッチンでお料理。
こうした「理想の一日」を具体的に想像することで、必要な空間や設備が見えてきます。
準備③:参考にしたい間取りや写真を集めておく
インスタグラムやピンタレストで見つけた、気になる間取りや写真を保存しておいてください。
「この雰囲気が好き」「この動線がいいな」
という具体的なイメージがあると、設計士との打ち合わせがスムーズに進みます。
また、「なぜこれがいいと思ったのか」という理由も、
一緒にメモしておくと、より正確にイメージが伝わります。
準備④:予算と優先順位を、家族で相談しておく
建物本体だけでなく、外構、家具家電、引っ越し費用なども含めた総予算を、ご家族で確認しておいてください。
そして、その予算の中で、「ここにはお金をかけたい」「ここは抑えてもいい」
という優先順位を、話し合っておくと安心です。

【まとめ】間取りは、ご家族の暮らし方に寄り添ってつくるもの
インスタグラムで見る素敵な間取りは、魅力的で、憧れる気持ちはとてもよく分かります。
そして、そうした素敵な事例から、たくさんのヒントをもらえることも事実です。
ただ、その間取りは、その家族の暮らし方に寄り添ってつくられたものです。
デザインやテイストを参考にすることは、とても素敵なことです。
でも、そのままコピーするのではなく、
ご自身の暮らし方に合わせて少しずつ調整していくことが、
後悔しない家づくりにつながります。
■間取りを考える前に、ご家族で話し合いたいこと
- ご家族それぞれの1日の動きや生活のリズムを書き出して、重なる時間や場所を確認すること
- 大切にしたいことと、できれば叶えたいことを分けて、優先順位をはっきりさせておくこと
- これから先のご家族の変化や働き方を想像して、柔軟に対応できる余白をつくっておくこと
ナチュラルデザインでは、見た目の素敵さはもちろん大切にしながら、毎日の暮らしが少しでもラクになる、長く心地よく過ごせる間取りを、ご家族と一緒に考えていきます。
ナチュラルデザインの施工エリア
ナチュラルデザインは、京都市を中心に、亀岡市、南丹市、向日市、長岡京市、宇治市、八幡市、城陽市、大山崎町、久御山町を主な施工エリアとしております。事務所から車で1時間圏内を、主な施工エリアとしております。
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